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長崎大学病院 医療教育開発センター 医師育成キャリア支援室

初期研修・専門研修について

長崎大学病院 渡邊先生が『スプーン診察法』の特許を取得!

 
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長崎大学病院 耳鼻咽喉科の渡邊先生が『スプーン診察法』の特許を取得されました!
この診察法が誕生した背景や今後の展望など、8月中旬に行われた浜田センター長との対談の様子をご覧ください。


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浜田先生:
特許を取られた『スプーン診察法』が誕生した背景を教えてください。
 

渡邊先生:
誕生したきっかけは、崎長ライト(浜田先生)の小説「坂の途中」の第一話『鼻粘膜の視診は「スプーン法」で』のお話でした。
主人公である研修医アイちゃんが「簡単にアレルギー性鼻炎を診察する方法はないかな」というお話をヒントにし、スプーンとペンライトを使って誰でもお手軽に鼻の中をみることができるような診察法を考えだしました。 
 

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第1話 アイとスプーン 鼻粘膜の視診は「スプーン法」で 

浜田先生:
その時に初めてこの診察法を思いついたのですか。

渡邊先生:
そうですね。ひらめいた!!という感じでした。スプーンとペンライトを使って見えることは分かっていたのですが、実際に形にしようと思ったのは先生のお言葉がきっかけでした。
 

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浜田先生:
鼻の粘膜が白っぽくみえるとアレルギー性鼻炎、ということですよね。

渡邊先生:
そうです。アレルギー性鼻炎は鼻の粘膜が青白っぽくみえるのが特徴です。

浜田先生:
そうなんですね!ちなみにアレルギー性鼻炎の診断基準はあるのですか?

渡邊先生:
あります。アレルギー性鼻炎の診断は、内科で採血をしたり耳鼻科では経験的に鼻の粘膜の色調を診察したりすることでできます。鼻アレルギー診療ガイドラインでは粘膜の所見が診断基準の一つとして入っています。 
 

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浜田先生:
なるほど。鼻アレルギー診療ガイドラインにも入っている、アレルギー性鼻炎は鼻の粘膜が白くなるという特徴をヒントにしているのですね。通常の診察ではカメラを使うのですか。


渡邊先生:
カメラで診ることもありますが、耳鼻科の診察では基本的に鼻鏡で診ています。記録を残す時はカメラを使って診察をします。

浜田先生:
これらをヒントに、いわゆる誰でも簡単にできる診察法を、という発想になったのですか。

渡邊先生:
そうです。誰でも簡単に診ることはできないかなという思いから始まりました。

浜田先生:
素晴らしいですね。この診断器具の強みをぜひ教えてください。
 

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渡邊先生: 
研修医の先生など、誰でもスプーンとペンライトさえあれば診断ができるというのが強みです。
この診察法により、安価に且つ迅速にアレルギー性鼻炎を診断することが可能になります。 
 

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浜田先生:
今後の展望としてはなにがありますか。

渡邊先生:
取得した特許は診断方法をベースにしていますが、最終的には診断器具を実現化させたいと考えています。

浜田先生:
いわゆるペンライトとスプーンが一緒になっている器具、ということですね。
 

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渡邊先生:
はい。ペンライトとスプーンを一体化させる特殊なクリップの発明を考えています。
このクリップを使うことで身近にあるスプーンとペンライトを一体化させてそのままお手軽に使うことができます。
費用面では通常の器具より高くならないと思うので、安価且つ安全に診察できるのではないかと考えています。



浜田先生:
診断器具を実現化した際のネーミングはつけていますか。

渡邊先生:
どうしましょう、先生にぜひネーミングを・・

 

浜田先生:
『ナベのスプーン』とかいう名前だと売れそうな気がしますけどね。(笑)ナベのスプーン診察法。
ぜひ研修医でも診察できるように、今後普及させていただければと思います。
実際にアレルギー性鼻炎と上咽頭炎は似ているところがありますからね。 
 

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渡邊先生:
そうですね。風邪だと思って診察したら鼻炎だったということはよくあります。
器具が無い場合でもスプーン診察法でパッと見て、鼻炎ということが分かれば迅速に診察ができますので、患者さんの満足度も上がるかもしれません。

浜田先生:
これは、内科の先生にも普及させたら役に立つかもしれませんね。
 

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渡邊先生:
そうですね!ぜひとも今後普及させたいと思います。
そのためには、たくさんの研修医の先生方にもこのアレルギー性鼻炎の診察方法が役立つように指導したいと思います。
お手軽な方法ですので、みなさんぜひやってみてください!!



by nagasaki-career | 2020-09-09 14:34 | 医療教育開発センター

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